家族承諾脳死判定巡り報告書

去年８月に、家族の承諾で初めて行われた脳死からの臓器提供で、脳死と判定された男性は、病院に運ばれたときには意識があったことなど、当時の詳しいいきさつが厚生労働省の報告書で明らかになりました。

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この報告書は、脳死からの臓器提供について検証する厚生労働省の専門家グループがまとめ、２３日に公表したものです。報告書では去年８月に、家族の承諾によって初めて行われた脳死からの臓器提供で、脳死と判定された２０代の男性の治療のいきさつなどが明らかにされました。交通事故で大けがをした男性は、病院に運ばれたときには意識があり、会話も可能でしたが、骨折した足を手術したあとに意識を失い、そのまま５日後には脳死の疑いがある状態になったということです。報告書では、男性について、頭のＣＴ画像や血液検査の結果から脳の血管に入った脂肪が固まり、脳死に至ったと結論づけています。また、脳死判定を承諾する際の主治医と家族とのやり取りはこれまで公表されていませんでしたが、初めに臓器移植の話を切り出したのは家族からだったことを明らかにしています。脳死からの臓器提供では、すべてのケースについて、脳死判定の手順や本人や家族の意思確認などに問題がなかったか、専門家が検証することになっています。厚生労働省では「検証結果に問題はなく、手順や家族の意思確認は適切に行われたと受け止めている」としています。