井上ひさし氏の自筆原稿を寄贈

去年亡くなった作家の井上ひさしさんが残した３万枚以上に及ぶ自筆の原稿が、井上さんが初代館長を務めた仙台市の文学館に寄贈されました。仙台文学館では、寄贈された原稿を来年以降、公開することにしています。

寄贈されたのは、去年４月に肺がんのため亡くなった井上ひさしさんが残した自筆の原稿２００点余り、原稿用紙でおよそ３万２０００枚です。山形県出身の井上さんは、高校時代を仙台市で過ごし、平成１１年から８年間、仙台文学館の初代の館長を務めました。原稿はその縁で妻のユリさんが寄贈したもので、８日、仙台市の奥山恵美子市長からユリさんに感謝状が贈られました。寄贈された原稿の中には、東北地方の架空の村を描いた「吉里吉里人（きりきりじん）」や、仙台での高校時代の体験を元に書かれた「青葉繁れる」など井上さんの代表作が数多く含まれています。ユリさんは「井上文学を研究する人に活用してもらうもよし、一度も触れたことのない人に小説を読んだり、劇を見たりするきっかけにしてもらうもよしなので、あらゆる人に見てほしい」と話していました。仙台文学館では、寄贈された原稿を来年以降、公開することにしています。

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