iPhoneそっくり!? “日本仕様”スマートフォン「IS03」の中身

　KDDI（au）は4日、OSに「Android 2.1」を採用したシャープ製スマートフォン「IS03」を発表した。ワンセグ機能や赤外線通信に加えておサイフケータイ機能（フェリカ）も内蔵。auのケータイメールや「LISMO！」にも対応する。国内メーカー製の、"ケータイ仕様"を網羅した戦略機で、出遅れたスマートフォン分野での巻き返しを図る。

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　本体はアップル「iPhone 4」より若干大きいサイズ感。正面からの見た目はiPhoneによく似ているが、裏面はプラスチックカバーで覆われており、質感は大きく異なる。 　本体側面には電源ボタン、シャッターボタン、音量ボタンが備わるが、本体正面にはボタン類がない。代わりに、液晶画面の下部がタッチパネル式の「メモリー液晶」になっており、操作時には常に4つのボタンが表示された状態になる。メモリー液晶は電力を消費せずに表示内容を保持できる特殊な液晶。スタンバイ状態でも、メモリー液晶部分には時刻などが常に表示され、ケータイのサブ液晶のような役割を果たしている。 microSDの取り外しがやや面倒。フォントの切り替えが可能 　裏ふたとバッテリーを外すと、SIMカードスロットとmicroSDカードスロットが現れる。ともにバッテリーを外さないと出し入れができないのはやや不便だ。また、本体側面のマイクロUSB端子のふたも、ゴム製で少々外しにくく感じられた。 　カメラは957万画素のCCDで、スマートフォンのなかでも最高スペック。カメラ部はわずかに出っ張っている。カメラの下にはモノラルスピーカーが備わる。 　液晶サイズ、画面解像度はiPhone 4と全く同じ。3.5型の液晶（640×960ドット）を採用する。アンドロイド標準のものより読みやすいフォントが採用されており、細かな表示も読みやすい印象だった。フォントは4種類を内蔵しており、切り替えも可能だ。

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カレンダー機能は「アンドロイド標準」を採用。LISMO！は使いやすい 　「IS01」と同様、スウェーデン・オーシャンオブザベーションズ社の開発した独自メニューを採用。画面インターフェースは全体的にカスタマイズされているが、IS01と違ってウェブブラウザーやメーラー、スケジューラーなどはアンドロイド標準仕様に近い作りになっている。マルチタッチ操作に対応するほか、「Flash Lite 4」を内蔵しているので、ブラウザーはFlashを使ったサイトも表示できる（一部動画サイトなどを除く）。 　「au one ナビウォーク」や「LISMO！」といったキャリア独自のアプリを内蔵。特にLISMO！　アプリは音楽プレーヤー機能も兼ね備えており、LISMO！経由で購入した曲も、自分でパソコンからmicroSDに転送した曲も、一括して管理・再生できる仕様になっている。使い勝手は良好だ。 レスポンスに大きな不満はない。おサイフ機能は当初はWAONのみ対応 　まだテスト機の段階ではあるが、いくつかのアプリで試した範囲では、レスポンスに大きな不満を覚える箇所はなかった。CPUはIS01と同じ米クアルコム製の「スナップドラゴン（QSD8650）」で、十分な性能が確保されている。ただ、IS03のAndroid OSのバージョンは2.1。一方で、NTTドコモからの発売が見込まれるサムスン電子製「GALAXY S」は最新のOS、2.2を採用する可能性が高い。2.2ではアプリの動作を高速化するプログラム（JITコンパイラ）がOSレベルで内蔵されており、IS03は動作の軽快さではGALAXY Sに及ばない可能性がある。

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　全体に使い勝手は良好で、auならではの独自アプリも多数内蔵することから、auユーザーにとってはケータイから乗り換える価値のあるスマートフォンといえそうだ。一方で、フェリカ付きのスマートフォンを切望していたユーザーには不満の残る面がある。EdyならEdy用、SuicaならSuica用といった具合に、電子マネーへの対応には個別にアプリ側での対応が必要。IS03の発売当初はこうしたアプリが間に合わず、主要な電子マネーはWAONのみの対応となる。普及が進めば当然アプリも追いついてくるはずで、IS03も後日のアップデートで対応予定だが、当面は不便さを覚悟する必要がある。 　日経トレンディ11月号「スマートフォン＆電子書籍」では、サムスン電子「GALAXY S」なども含めた最新端末を徹底比較。年内にも本格化する電子書籍配信サービスも含めて、知っておくべき最新事情をまとめている。