宮城県 下水の微生物処理再開へ

宮城県は、震災で大きな被害を受けた下水処理施設の一部について、夏場を前に浄化能力を高め、排水のにおいが悪化するのを少しでも防ごうと、今月中にも微生物を使った本来の処理を再開することになりました。

今回の震災では、宮城県が管理する３つの下水処理施設でポンプや浄化槽が壊れて微生物を使って汚れを分解する処理などができなくなり、施設から排出される水の汚れを示す数値は国の環境基準の１０倍を上回る状態が続いています。こうした状況を少しでも改善しようと、宮城県は、３つの施設のうち、多賀城市にある「仙塩浄化センター」と、岩沼市にある「県南浄化センター」のそれぞれ一部の浄化槽で、微生物を使った本来の処理を今月中にも再開することを決めました。具体的には、微生物に酸素を送るポンプの一部を修理したうえで、被害を受けなかった別の処理施設から微生物を持ち込んで下水を処理することなどを検討しています。これにより水を浄化する能力は改善されますが、それでも震災前の半分にも満たない水準だということで、完全な復旧には３年程度かかる見通しです。宮城県は「排水のにおいなどが悪化する夏場を前に、できるだけの手を打ちたい」と話しています。

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