【Ｊリーグ】清水エスパルス、悲願達成に必要なもの（２）

 開幕ダッシュに成功した清水エスパルスが好調を持続。第15節終了時点で、首位の鹿島アントラーズに勝ち点１ ルイヴィトン バッグ差の２位。ここ数年得意としている夏場を迎え、初の年間王者へ周囲の期待は高まるばかりだ。

とはいえ、まだリーグは半分も消化していない。昨季は第28節で首位に立ったものの、そのプレッシャーから５連敗と失速。これまでも、あと一歩のところでタイトルを逃してきただけに、悲願達成へ向けて、選手もスタッフも慎重な姿勢を崩していない。

Ｊリーグ創世記からチームを支えるベテランＭＦ伊東輝悦は、タイトルを手にできなかった要因について、次のように語る。
「主導権を握っても勝ち切れない。『絶対に勝つんだ！』という気持ちが少し弱い気がする。特に昨季は、終盤に追いつかれて、引き分けに終わった試合が目立った」

事実、昨季の引き分け数「12」は、リーグ全体で３番目に多い。９位までの上位半分では最多。そこには、記憶に残る嫌な引き分けもあった。

まずは第16節、ホームの京都サンガ戦。完全に主導権を握って前半で３－１とリードするも、京都に少ないチャンスを生かされて、後半ロスタイムに同点とされた。第21節、ホームのアルビレックス新潟戦もそうだった。シュート数は、13対５と一方的に攻めながら、１－０で迎えた後半31分に追いつかれてドロー。伊東が指摘するとおり、目の前にあった勝ち点３をみすみす逃す試合が目立った。

そして今季、清水は相変わらず引き分けが多い。引き分け６試合は、今年もリーグ全体で３番目の数。ただ、今季はちょっと違うと、伊東は言う。引き分けの多さには苦言を呈するものの、「昨年よりも気持ちは出ている」とチームの変化や成長を強調する。

例えば第３節のヴィッセル神戸戦、パスミスを連発してリズムをつかめなかったにもかかわらず、後半37分、ＤＦボスナーのＦＫで勝利した。さらに第８節の大宮アルディージャ戦でも、１－１のまま引き分けで終わると思われた試合を、終盤に勝ち越し点を挙げてモノにした。さらに圧巻だったのは、第ルイヴィトン モノグラム バッグ10節の京都戦。前半の０－２から、後半一気に４ゴールを量産。大逆転勝利を飾った。

また、引き分けについても、今季は前向きに捉えている選手が多い。キャプテンのＭＦ兵働昭弘は言う。
「今年は粘り強く戦って、追いついた引き分けが多い。あと一歩で勝てた、という悔しい思いもあるけれど、少なくとも高いモチベーションを最後まで保つことができた試合ばかり」

事実、第７節のガンバ大阪戦は０－１から終盤に追いつき、第13節の名古屋グランパス戦でもリードされても食い下がり３－３の引き分けに持ち込んだ。ともにアウェーで貴重な勝点１をゲットし、「勢いを残した内容」（兵働）で、その次の試合では白星を飾った。

そうした精神面での成長が、首位になっても浮き足立つことなく、昨季と違って上位をキープできている要因なのだろう。その戦いぶりには確かに自信も芽生えており、
「去年までは先制してもビクビクしていたけど、今年は先制されても負ける気がしない」とＤＦ平岡康裕。ＤＦ市川大祐も「練習内容であったり、システムを変更しルイヴィトン バッグ コピー たりといった、新たなチャレンジが好結果につながり、それが自信になっている」と堂々としたもの。

ゆえに、今季加入したＭＦ小野伸二もチーム状態の良さには目を細める。
「細かい課題はあるだろうけど、今は勢いがある。選手間の競争が激しいから、交代出場した選手がどんどん結果を出す。強いチームが持つ典型的な良い流れだと思う。それを継続していくことが重要」

それでも小野は、「『優勝』の二文字を語るのは、まだ早いでしょう。まだまだ序盤ですよ！」と、周囲の盛り上がりに踊らされることはない。

なにしろ、これからが勝負どころ。特に８月は、鹿島、横浜Ｆ・マリノス、ジュビロ磐田、川崎フロンターレと、やや苦手とする対戦が続く。そこで、どんな戦いをするかで、清水の真の実力と悲願達成のために本当に必要なものが見えてくるのかもしれない。