【日本代表】松井大輔インタビュー「ザックJAPANと１月移籍」＠前編

 「どっしり構えた人ですね。戦術的なことも含めて、まず自分の考えを選手に伝えるところからチーム作りをするタイプの監督という印象です」

10月から本格的に始動した新生日本代表、アルベルト・ザッケローニ監督の印象についてこう語るのは、南アフリカ・ワールドカップで活躍し、決勝トーナメント進出に大きく貢献したサイドアタッカーの松井大輔である。

10月に行なわれた親善試合2連戦。日本が歴史的勝利を収めた強豪アルゼンチンとの一戦こそ故障欠場したものの、続くソウルでの韓国戦では、フランスで培われたフィジカルの強さと持ち前のテクニックを発揮し、ザックジャパンにおいても代表の主軸であることを証明して見せた。

「基本的には“サイドに追い込んでボールを奪う”という部分、それと、“絶対に相手に抜かれないような守備をする”というのが、ザッケローニ監督のスタイルですね。
たとえば、１対１の場面では、カバーに入る選手も含めてふたりとも絶対に抜かれないように下がれと言います。つまり、“そこでアタックに行くな”、ということ。攻撃についてはダイアゴナル（斜め）の動きを言ったりしますが、まだ活動期間も短いし、これからいろいろな部分を上乗せしながらチームを作っていくんだと思います」

松井が操るフランス語と、ザッケローニが話すイタリア語は似ている部分が多く、松井自身は通訳を通す前のザッケローニ監督のイタリア語を聞いて、直接その意図を理解しようと努めているという。新監督と選手の間のコミュニケーションの面においても、松井はザックジャパンに欠かせない存在となりそうである。

また、10月に招集されたザックジャパンのメンバーの中では、29歳の松井は遠藤（30歳）に次ぐ年齢だ。これからは、同年代の駒野、阿部、中村（憲）、闘莉王らとともに、4年後のブラジル大会を目指す日本代表を引っ張っていく役割も期待される。

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「自分がその役割を担うかどうかは分からないですけど、プレイについていえば、この歳になると、どんな試合でも落ち着いてできるというのが強みだと思います。チーム状態が悪いときでも、自分のところでうまくゲームを組み立てたり、ゲームをコントロールできるような、そういうプレイが要求されると思いますしね」

ドイツで大ブレイクした香川を筆頭に、若手が次々と台頭してきている現在の代表についても、「若い選手が育ってきて、チームのバランスがとても良い状態」と、感じているという。

逆に、チームをそういう目で見られるようになったことが、松井の成長と言えるのかもしれない。

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「この歳になって、監督が何を求めているのかをすごく考えるようになったと思うし、監督がどういうチーム作りをして、どんなサッカーをやろうとしているのかという部分を見るようになりました」

南アフリカでのワールドカップでは、「自分たち下の世代がのびのびプレイできたのも、ベテランの存在があったから」と振り返り、ベテランの存在がチームをまとめるうえでどれだけ重要なのかを痛感したという松井。

次は、いよいよその役割を自分で担って、4年後のブラジル大会を目指す。それは、ある意味当然のことだと思われる。

しかしそんな松井の口から、こちらが予想だにしなかった言葉がこぼれた……。