実はハリウッドメジャーが製作した!? 役所広司と佐藤浩市共演の『最後の忠臣蔵』

 役所広司と佐藤浩市の共演でも話題の『最後の忠臣蔵』が公開される。吉良上野介を仇討したその後の浪士の姿を描いたのがこの映画だ。

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江戸城内・松の廊下にて吉良上野介に対する刀傷沙汰を起こしたかどで、切腹を命じられた赤穂藩主・浅野内匠頭。そんな主君の無念を晴らそうと、大石内蔵助率いる四十七士が吉良邸に討ち入り。見事に吉良の首を取り、仇討ちに成功する姿を綴った『忠臣蔵』は、これまでに幾度となく映画化されてきた“忠義”の物語だ。

だが、この物語には続きがルイヴィトン バッグ シャネル バッグ グッチ バッグ エルメス バッグ wallet---ルイヴィトン 財布 シャネル 財布 グッチ 財布 エルメス 財布 watch----ロレックス 時計コピー シャネル 時計コピー IWC 時計コピー オメガ 時計コピー 腕時計 コピーあった。彼ら浪士のなかに、その後も生き延びた2人の侍がいたからだ。

1人は討ち入り後に、みんなと一緒に切腹することを許されず、生きて討ち入りの真実を後世に伝え、浪士たちの家族の面倒を見ることを大石から命じられた寺坂吉右衛門（佐藤浩市）。そしてもう１人は、討ち入り前夜に姿を消した瀬尾孫左衛門（役所広司）。この2人の姿を通じて、主君に仕える武士の見事なまでの生き様を綴った映画が、池宮彰一郎の同名原作を映画化した『最後の忠臣蔵』だ。

四十七士の中、ただ1人生き残った浪士と討ち入り前夜姿を消した浪士

個人的には、今年封切られた時代劇映画の中で、この作品はもっとも感動した作品。まずはその内容をご紹介していこう。

物語は討ち入りから16年後に幕を開ける。四十七士の中で、ただ1人生き残ることとなった寺坂吉右衛門は、最後の一家族への訪問を終え、京で行われる四十七士の十七回忌に参列すべく、内蔵助の又従兄弟にあたる進藤長保（伊武雅刀）の屋敷へと向かっていた。その道中で吉右衛門は、かつて親友であった瀬尾孫左衛門を見かけて驚く。なぜなら孫左衛門は、討ち入り前夜に、突如、姿を消してしまったからだ。

なぜ突然姿を消したのか──忠義の精神とは

映画は、この孫左衛門がどうして姿を消してしまったのか？　その謎に迫っていく。周囲からは恐くなって逃げ出したと思われているが、吉右衛門はそうは思っていない。なぜなら彼は、孫左衛門が早くに妻を亡くし、子もなかったこともあって、内蔵助への奉公が生き甲斐であったことを知っていたからだ。

では、なぜ突然、彼は姿を消したのか？　その真実が次第に明かされていくにつれ、観客は孫左衛門という男が過ごしてきた16年の歳月や、その間もずっと保ち続けていた忠義の精神を知り、心打たれていくのだ。

日本映画界トップランナーが「死に損ない」をどう演じるか

見どころの1つが、生き残った2人の侍を演じた役所広司と佐藤浩市の共演だ。

年も大して違わず、日本映画界で共にトップランナーとしてひた走ってきた2人。一方で共演は、2006年の映画『THE 有頂天ホテル』の1シーンのみ。それだけに今回のがっぷりと組んだ共演は、日本映画ファンにはたまらないだろう。その2人が演じるのは、言葉は悪いが「死に損ない」。切腹していったかつての仲間が、年月の経過とともに英雄視されていく中で、生き残ったがゆえに「潔くない」と思われ、後ろ指を指されながら生きてきたのが2人が演じる侍だ。

劇中、佐藤扮する吉右衛門が、役所扮する孫左衛門に「討ち入った者よりもなお、残った者の方に背負うものは大きかった。お主もそうであろう」と同意を求めるシーンがある。この映画が描いているのは、勇ましく死んでいった者たちではなく、その後も生き残り、使命を果たすことを求められた2人の男の生き様でもあるのだ。

純朴で清楚で凛とした桜庭ななみにも注目

メガホンを取ったのは、人気テレビシリーズ『北の国から』の杉田成道監督。こだわり派として知られる監督だけに、製作発表の際には「大丈夫か？」と懸念する声もあったが、本作ではそのこだわりが見事に映像に結実。

その杉田監督が見出したのが、孫左衛門に育てられる可音（かね）を演じた桜庭ななみだ。一見、純朴で清楚。それでいながら、凛とした強さを見せる可音を熱演している。プロフィールの写真を見た瞬間に「この子しかいない」と確信したという監督は、「吉永小百合のような国民に愛される女優になってほしい」と語るなど、彼女の才能を高評価している。

ワーナー・ブラザーズ日本支社が乗り出した初の「ローカルプロダクション」映画

おしまいに、この映画にまつわる映画界のトレンドについても触れておこう。同作は、ワーナー・ブラザースの日本支社が、初めて本格的に映画製作に乗り出したる「ローカルプロダクション」映画でもある。

ローカルプロダクションとはハリウッドのメジャースタジオなどが、支社のある国で、その国をターゲットにした映画を製作すること。背景にあるのが洋画の低迷と邦画の活性化だ。音楽業界ではすでに、洋楽の時代からJ-POPの時代へと移行しているが、映画でも同様の流れがある。80年代に青春を過ごした人なら、デートに誘う際には洋画を選んだと思うが、今は逆。邦画の方がクールでカッコイイと思われているのだ。そうなってくると今後、洋画のニーズがもっと落ち込む時代の到来が想定される。ローカルプロダクションには、そんなときに備え、予め日本映画の製作に乗り出していくという狙いがある。

ワーナー・ブラザースはすでに、『デスノート』シリーズ３作を大ヒットに導くなど邦画配給でも実績を上げている会社。そのワーナーが邦画製作に本格参戦したことは、今後の邦画界にも大きな影響を及ぼすだろう。

この映画の興行的な成功が、あるいは、今後の日本映画界を変えていく最初の一歩になるのかも知れないのだ。